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『8年越しの花嫁 奇跡の実話』 厳しい現実の中に奇跡を待ち続けた人々の話。

2017年もあと少し!
ということで、今年中に見たい映画を全部見る!というのを今週やっています。


今回は『8年越しの花嫁 奇跡の実話』を見てきました。


ぶっちゃけ、話の内容的には好みの映画ではないです。。。実話もの、難病もの、感動必至。。。という謳い文句をこの数年で邦画は何本やるんだろう?とこの映画の予告編を見たときに思ってしまった私。しかも副題がだせえ!


何だこの「奇跡の実話」って。奇跡体験アンビリーバボーみたいです、と思ってたら、本当に奇跡体験アンビリーバボーで特集された話らしいという情報を小耳に挟みました。


そんな言うなら見なきゃいいじゃん。今年中に見たい映画じゃねえじゃんと言われてもその通りなのですが、今回見ようと思ったのも、他の人の評価が高く、ただのお涙頂戴者ではないようだ、というわずかながらの希望と、そこまで言わしめるこの作品に対する期待からです。


キャスト的には申し分なし。特に土屋太鳳さんは朝ドラからこっそり応援している女優さんというのもあります笑。


とはいえ不安も拭えない。。


不安と期待をないまぜにしながら、いざ劇場に行ってきました!!








作品情報


ストーリー

YouTube動画をきっかけに話題となり、「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」のタイトルで書籍化もされた実話を、佐藤健&土屋太鳳の主演で映画化。結婚を約束し幸せの絶頂にいた20代のカップル・尚志と麻衣。しかし結婚式の3カ月前、麻衣が原因不明の病に倒れ昏睡状態に陥ってしまう。尚志はそれから毎朝、出勤前に病院に通って麻衣の回復を祈り続ける。数年後、麻衣は少しずつ意識を取り戻すが、記憶障害により尚志に関する記憶を失っていた。2人の思い出の場所に連れて行っても麻衣は尚志を思い出せず、尚志は自分の存在が麻衣の負担になっているのではと考え別れを決意するが……。(映画.comより抜粋)


「8年越しの花嫁 奇跡の実話」予告編


スタッフ、キャスト


<スタッフ>
監督 瀬々敬久
 脚本 岡田惠和


<キャスト>
佐藤健 (西澤尚志)
土屋太鳳 (中原麻衣)
薬師丸ひろ子 (中原初美)
杉本哲太 (中原浩二)
北村一輝 (柴田)
浜野謙太 (室田浩輔)
中村ゆり (島尾真美子)




泣きはしなかったけど鳥肌は立った!厳しい現実の中に奇跡を待ち続けた人々の話。


まずは主演陣二人がいい!


主演の二人なんですけど、この二人がすごく良い。ここに関しては本当に申し分なくて、すごく良かったです。


何が一番すごいかっていうと、土屋太鳳さんの体当たりの演技ですかね。



佐藤健さん演じる尚志くんと結ばれる女の人をやっていますが、それが病気で倒れた以来目を覚まさなくなってしまう。序盤は溌剌とした女性をやっていて、これも見ているだけで笑顔になってしまうような元気の良さでどっかで見たことがあるような土屋太鳳なんだけど、これはこれで良い。麻衣さんのキャラクターがすごくよく出ている。


で、ここからが体当たりなんですけど、病気で倒れてしまってからは、一人では生命の危機なので、人工呼吸器とかその他色々な管に繋がれるわけです。まあよくある難病ものの描写。で、そのせいで麻衣さんはどんどんむくんでいくわけです。顔も腕も何もかも。顔色もいわゆる土色みたいなちょっと汚い色になって行って、パンパンになる。


この感じ。


それを土屋太鳳さんがそのままやる姿が何とも痛ましいです。言葉を選ばずにいえばちょっとグロテスクというか。病気の深刻さ、本人の苦しみ、それから何よりそれを見守る尚志と麻衣の家族の痛みがこちらにも伝わってきて、言葉をなくしてしまう。婚約者のこの姿見るの相当辛いだろうな、、と特に尚志に感情移入してしまいました。


体当たりといえばそれだけじゃなくて、目が覚めて車椅子で外出しているときのぼーっとしたような何を考えているのかわからないような表情。病気でパニックを起こして暴言をぶちまけたり腕を振り回したりする様。雨の中悔しさや悲しみや情けなさ、いろんな負の感情がごちゃごちゃになってドロドロになりながら泣き崩れる様子。


病気に犯され、生活が、感情がめちゃくちゃになってしまう過程に説得力があったのは、ひとえにこの女優さんのおかげではないでしょうか。



一方、その麻衣を暖かく見守る青年尚志を演じたのは佐藤健さん。



こういう役多いですよね、『何者』とか、普通の青年、何ならちょっとダサ目みたいな役。おかしいですよね、めっちゃイケメンなのに。めっちゃイケメンでしかもめっちゃプレイボーイなのに。どうしても見ながら、「土屋太鳳とか何かあったりしないのかな?お持ち帰ったりしているのかな?あったらやだな」とかって思ってしまうという余計な要素を兼ね備えていますね。


それはともかく。


病気に振り回された麻衣さんとは対照的に8年間、何も変わらずに麻衣に寄り添い続けるという役柄。そのひたむきさが十分に伝わってきます。麻衣を諦めると言った時の何の混じり気のないような笑顔が逆に泣かせますね。その一方で車の中では号泣していたり。やはり演技力は健在だな、と。



それからその二人のそばにいる麻衣さんの両親を、薬師丸ひろ子さんと杉本哲太さん。この二人が淡きを固めていて素晴らしい!



薬師丸さんは、顔に丸いシワを作って優しい顔を見せたかと思うと、時に厳しい現実に気圧されて冷淡な表情になったり、そのギャップがでっかくて時にショッキングだった印象です。どうしても顔がもともと優しい人なので(?)、その分「あなたは家族じゃないからそんなことが言えるのよ」とかっていうセリフがぐさっときます。


反対に杉本哲太さんは、渋い顔をしていて、あまり大きな感情を表に出さないお父さん役。お母さんの初美さんを支えているイメージでした。怒鳴ったり泣いたり表情には出さないけど、でも確かに麻衣の病状にショックを受け、回復にはほおをほころばせる。振れ幅がそこまでないにしても確かに温かい眼差しを向けている。


メインではこの四人を中心に話が動いて行きます。


ところどころに散りばめられた小さな演出


ただストーリーを進めていくだけでは感動は生まれないんだな、と思いました。そのためには、登場人物がどんな時間を送ったのか、その全ては映し出せないまでも、観客に効果的に伝えないといけない。


今回はその小さな演出とか、細かな撮り方の工夫とかが見られたような気がします。


例えば。


バイクで2時間離れた病院に毎日お見舞いに行く尚志くん。朝早くからバイクを出して、せっせと通う姿を、ちょっと長めにバイクのシーン写して見たり。このシーン、ただ移動するだけなんですけど、割と長めの尺を使って撮ってる。


もしこのシーンがワンカットで終わってしまっていたら、もし早朝の暗いうちから家を出るところが描かれていなかったら、尚志くんの気持ちがここまで伝わることはなかったかな、と思います。


それから、麻衣が目覚めない間に、「麻衣がおきた時に見せて笑わせよう」と尚志が撮りためたケータイでの自撮り映像。これがあとで聞いてくるんですけど、この素朴な感じとか、いかにも携帯に慣れてないよって感じの話し方とか、でっかい声で「愛してるよ!」って行ったところで通行人が来ちゃって真面目に謝ってる様子とか。


ちょこっと笑わせたりとか、素人感とかが出ていて共感できる。


それから、何と言っても、序盤の場面と最後にもう一回出てくるシーン。お腹が痛いという尚志に麻衣が回路をあげるシーン。このシーンを最後でこういう使い方をするのか!という驚きがありました。ここすごく好き!


このシーンって結局この話のテーマみたいなのがそれとなく表されたところだと思うんです。自分の愛する人が辛い時、困っている時、自分にできることをしてあげる。きらびやかな毎日じゃなくてもいい。その平凡な毎日に、互いに寄り添って生きて行く。という。


このシーンの使い方、特に2回目の使い方が最後に二人の関係性を締める意味もあってすごくいいシーンだと思いました。


厳しい現実だけど。


最後のこの話のテーマについてもちょっと触れとこうと思います。


こういう話って命の大切さとか何気ない人生の貴重さ、みたいな、「私たちが普通だと思っている人生をこんなに頑張って生きてる人がいるんだよ!!」みたいな感じのやつがほとんどだと思うんですけど。今回はちょっと変えて来たような気がして。


この話って、最初と最後以外は基本辛いお話だったと思います。愛する人が病気になって意識不明になって、目が覚めても普段通りの生活ができなくて記憶がなくて、、、


その辛い日々を絶望のように描いてはいない。ただ、そうなってしまった麻衣を、その人生を受け止めて、ただ、今できることを淡々として行く。


毎日お見舞いに行って、たまには寝たまま病室に泊まってしまったりする。麻衣がおきた時のために動画を撮ってみる。リハビリを手伝ってあげる。話しかけてあげる。折り鶴を折ってあげる。


あるいは、麻衣がおきた時にがっかりしないように結婚式の日程は「延期」にしておく。恋人が自分のことを思い出せなくて苦しんでいたら、「もういいんだよ」と言って立ち去る。


全部相手のことを思って、相手の幸せを願って、ただ自分にできることを精一杯にやる。これはさっき言ったカイロの話とも繋がりますよね。


そんな辛い日々の中にも、ところどころに奇跡が、希望がちりばめられています。


個人的に一番印象的なのが、同じ病室にいた車椅子の女の子が急に病室からいなくなったと思ったら、少しして弁論大会で優勝したと新聞に載っていたり。悲しい展開か、誰にも何も言わずに死んでしまったのか、と思わせておいて、その逆のベクトルに持って行くという。この映画で一番泣きそうになりました笑。


とか、麻衣が目が覚めたところ。テレビを見ながら歌い出したところ。立てるようになったところ。そして、携帯のロックナンバーがわかったところ。


この携帯のロック外れたところめっちゃやばなかったですか!?


二人の記念日を教えられて、それだ!と思って番号をおしてみたらロック外れて、そしたらホーム画面が二人の満面の笑み!っていう。ここもう泣くポイントでしょ!笑ここ最高でしょ!笑


そこから尚志からのメールに気づいて、開いてみると動画が500件くらい来ている。


ここもう一気に持って生きますよね〜。


それから、尚志に会いに言った麻衣がついに再会を果たす。この展開は、個人的には泣く、というセンサーではなく、感動の、鳥肌のセンサーが発動しました。ついに!ついに!ここまで来たぞ!!という笑。


辛い厳しい現実も、その全てが絶望ではない。尚志の上司(北村一輝)が言っていた、整備する時に考えること、それは愛だ、という話にも繋がります(これは尚志が入社試験の時に言っていた台詞だけど)。諦めず、ただ寄り添い続ける、その気持ちを持ち続けたものだけが、その現実の中に時として訪れる奇跡を、希望を享受できる。


そして、その寄り添い続ける気持ちこそが、愛、ということなんじゃないかと思います。




最後に

というわけで今回の『8年越しの花嫁』は、個人的には泣く映画ではなかったような、、いや泣く要素はふんだんに盛り込まれてはいるんだけど、僕には反応しなかったというか。


難病ものとしてはぶっちゃけありがちな話ではあると思いますが、それでも駄作とまで思わなかったのは、コテコテに演技させてただのドラマにしなかった監督と、二人の関係性を語り切らないことで描いた脚本(岡田惠和さん!!)と、その二人の仕事を見事に形にした役者陣のおかげだと思います!


今年の10位に入ってくるとかそういうアレではないけども、こういう感動ものとしては良かったかな!と!思います!




ていうか圧倒的な女性率、、しかもその中でも圧倒的なJK率、、、肩身狭かった〜、、、
結構な客席あったはずなのに、ほとんどがカップルか女友達連れだったので、見に行くならそういう組み合わせが良いと思います笑




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!





12月20日