11/1 『ボーダーライン』


 現在公開中の『ブレードランナー2049』の監督で、『メッセージ』で注目を集めた監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ。その監督の作品『ボーダーライン』を鑑賞してみました!



作品紹介


1.あらすじ


優秀なFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、メキシコ麻薬カルテルの全滅を目的とした部隊に入り、特別捜査官(ジョシュ・ブローリン)のもとで極秘任務に就く。ケイトは早速、謎めいたコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近の捜査を開始。人が次々と亡くなる現実を突きつけられたケイトは……。(シネマトゥデイより)



映画『ボーダーライン』予告編


かっけえ。




2.監督

この話題作の監督は、今話題の
ドゥニ・ヴィルヌーヴ


 書きにきーよ!!!!


 書きにくいからもうコピペしちゃいましたよ。
 さっきも言ったけど、現在『ブレードランナー 2049』の監督です!!!
過去作には、『灼熱の魂』、『プリズナーズ』、『ボーダーライン』、『メッセージ』などなど!『メッセージ』しか見ていなかったので、次回作の『ブレードランナー』とかを含めてどっかSF監督のような気がしていたので、やっぱり勉強不足だなあと。


『メッセージ』、なかなかいい作品だったような気がする、、、(何様www)
 ていうかこれはSFなのかと思いましたね。SFに見せかけた家族とか人間関係の話なのではないか、と。まあこのちっちゃい枠でそれ書いても書きれないんですけど。


 てな訳で、個人的にはちょっと期待してました。それから『ブレードランナー』は前作を見てないしすぐに見れない気がしていたので、今作でドゥニ・ヴィルヌーヴ予習しておこうと!



3.キャスト


 ①まずは主役のケイト・メイサーを演じるのがエミリー・ブラント


 『プラダを着た悪魔』に出ていたんですね〜。全く覚えていない。。。まあ見た農家しすぎて当たり前っちゃ当たり前なんですけど。
 最近ではアクション映画にも進出しているとか。


 ②次に鍵を握る謎のコロンビア人、アレハンドロを演じるのが ベニチオ・デル・トロ


 書きにくい!今回もコピペしちゃいました!
 で、どんな作品に出ているかというと、『チェ 28歳の革命 / 39歳 別れの手紙』でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞し代表作に。なかなかいいキャリアを持ってらっしゃる。
 ちなみに!スターウォーズの次回作や、『アベンジャーズ/インフィニティーウォー』にも出演予定!!!今後目が離せません!


そのほか、ベニチオと同じくアベンジャーズの次回作に宿敵サノスとして出演しているジョシュ・ブローリンも出ています!











 さてさて、「この善悪、境界<ボーダー>はあるのか」というコピーになんかすごそうなものを感じていたわけえですが、なんとこの作品の現代は『ボーダーライン』ではなく、スペイン語?かなんかで殺し屋、という意味の『Sicario』ていうらしく、いきなりがっかりした次第。
 果たしてどんな殺し屋が出てくるのか。ケイトはこのボーダラインにいかに立ち向かっていくのか。
 個人的にはどんぱちが多いといいなっ!
 それでは感想です!!!



 120分持続する緊迫感、人が変わっていく様、人を信じられなくなる過程の恐怖、だけどちょっと話わかりづらい!
 

思ったより後味悪い。

 初めは任務ということで麻薬蔓延の原因を突き止めようと参加しているケイトが、最後には人格が変わってしまっている。
 『メッセージ』が結構自分にとって高評価だったので、それまではどんな監督だったんだろう、と思ってみてみたけど、終わり方の違いというか、後味の悪さとか持って行き方の重さにちょっとびっくり。


 最初の方はちょっと緊迫した感じが結構楽しかったりしたんですけど。メキシコの麻薬街(って言い方あるのか?)の無法地帯的な危険区域に超武装して侵入していくケイト。このシーン結構みてて面白かったりして。もともとアクション物とか結構好きだし、ドンパチも割といける口!とかって思ってたので。やっぱり「武装」した「警官隊」とか「特殊部隊」に弱いんですよね男子って!


 そのまま街中に侵入していくんですけど、そこでわかるんですよね。「あ、この街やばい」って。武装した警官隊が普通に和気藹々としている住宅街に侵入していく日常と非日常をミスマッチ感。そしてそれに対してそこまで警戒心を持っていない住人たち。なんだこれ?って思ってると、高速道路みたいな高架から吊るされてる死体が。しかも首がない。。。
 ケイトも面食らっちゃうわけです。しかもその後!怪しい奴らを渋滞の中で見つけたと思ったらその場で射殺してしまうという。。。それを普通にみてるわけです渋滞に巻き込まれた一般人が。そしてこんな白昼堂々な銃撃戦も曰く「新聞にも載らない」とのこと。殺人とか誘拐とか強姦とかの重大犯罪が日常化されてしまったこの街の様子を前半映して行きます。


正義と悪とのたたきと思いきや。

 こっからがちょっとわかりにくかったなあ。多分自分の理解能力が低かっただけなんだろうけど。。。
 真相というか、ことの裏側が見えてきて様相が二転三転するわけです。本当に信頼できる人は誰なのか。本当の狙いはなんなのか。ケイトは次第にわからなくなっていく。
 顔がやつれてって目にクマができていくケイトが見ていて悲しい。自分は本当に正義だと思ったことをしたいだけなのに、それをもっともっと上から見下ろして手のひらで転がしている何者かがいる。その怖さと無力さが虚しい。


 っておい!こういうドラマ前にあったような?小栗旬とかがよくやってたような、、、ていうか、闇堕ちしがちなあの脚本家がやってるぞ!よくやってるぞ!ドラマで闇堕ちさせて続きはスペシャルドラマか映画で!っていう感じの!
 よくあるテーマなんじゃね?と思ってしまった私はレベルが低いのでしょうか、、、?(とはいえ個人的にはその脚本家さんも小栗旬も好きです)


 結局正義だと思っていた人たちも、それぞれの正義を成功させるために手段を選ばず行動していく。そしてそのやり口は、悪のサイドにいるはずの麻薬王側のやり方と一緒でもある。


しかし心臓に悪い

 最終盤、麻薬王と対峙するアレハンドロ。実はメキシコ麻薬カルテルに妻と娘を惨殺された過去を持つメキシコ政府の元検事であり、個人的な復讐のためにコロンビア麻薬カルテルの傭兵として今回の作戦に参加していたという。そして部隊の人々は、そのことすらも利用しようとしているということなんですね〜。アレハンドロと麻薬王、この二人の駆け引きが今作の見どころなのでしょう。胸に秘めているものは正義と悪とで正反対なのに、やっていることは同じ。家族を殺すのも、仲間を騙して犠牲にするのもなんとも思わない人間たち。
 っておい!ケイトもう出てこないじゃんか!大事なとこ持ってかれちゃってるじゃんか!今やってる大河ドラマみたいになってるぞ!
 そしてその渦に飲み込まれそうになるケイトですが、最後にとった、いやむしろとれなかった行動に、彼女の人間としての「ボーダーライン」が見えたような気がしました。


 しかし全体的にずっと緊迫しているこの作品。しかも最後に向かうにつれて心拍数がちょっとずつ上がってくような。


 トンネルに機動部隊?と突入するところマジで怖かった〜。何かがこの先の暗闇にある見たい、向こうで銃撃戦が起こったみたい、でもここからは何もわからない。その怖さ。そしてそれを助長してるのが音楽ですよ!


 足音みたいなリズムで擦れた効果音みたいなのがずっとおんなじリズムで流れてる。ずっと流れてるの!それが怖いのなんの。まあそんな描写をずっと続けられたらなんかちょっと痩せてしまったような気さえして。


 正義とは!?悪とは!?みたいなテーマを扱っているからこういうのはしょうがないのかな〜?


最後に

 自分には真相が二転三転するあたりをもうちょっとはっきりわかりやすく言っていただけると私的には非常に助かったところではあります。が、それでもあれだけの重厚感と、主演のエミリーブラントの使命に満ちた序盤から悲壮感あふれる終盤への変遷をたどるだけでこの作品の見どころは十分と言えるかもしれません。


レビュー:5/10☆☆☆☆☆★★★★★