【感想・ネタバレなし】『モリーズ・ゲーム』 美女と大富豪の世界へ、ようこそ。

今回見てきたのは、



『モリーズ・ゲーム』



です!!!







作品紹介

イントロダクション

栄光を手にした実在の人物の知られざる裏側に光を当てる
天才脚本家アーロン・ソーキンが
初監督作品で仕掛ける新たなゲームとは?


オリンピック候補のトップアスリートから26歳にしてセレブが集う高額ポーカーの経営者へ一大スキャンダルを巻き起こした実話を映画化!


その名を聞けば、世界中の誰もが知っているハリウッドスターやミュージシャン、さらに大物実業家までが顧客リストに並ぶ、エクスクルーシブなポーカールームが実在した。賭け金の最低額は1万ドル(100万円相当)だが、どんなにキャッシュを積んでも、オーナーからの招待がなければ覗くことも許されない。まるで都市伝説のようなサロンのオーナーは、何の後ろ盾も持たない26歳の独身女性、モリー・ブルーム。だが、栄華を極めた果てに、違法なゲームを主催した容疑でFBIに逮捕される。


モリーが2014年に刊行し、ベストセラーとなった回顧録を、並外れた成功を成し遂げた実在の人物の裏側に迫って来た、脚本家のアーロン・ソーキンが独自の視点で脚色、オスカーにも輝いた才能のすべてを注ぎ込んで初監督に挑んだ。


モリーを演じるのは、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』と『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞®にノミネートされ、『女神の見えざる手』で観客を虜にしたジェシカ・チャステイン。彼女の弁護を担当する信念を貫く弁護士に『ダークタワー』のイドリス・エルバ。厳格な父親に『ドリーム』のケヴィン・コスナー。


オリンピック候補にもなったトップアスリートから、なぜ全く違う世界へと身を投じたのか? どうやって500万ドル近くの富を手に入れ、それをすべて失くしたのか? 彼女を陥れたのは誰か? やがて弁護士との作戦会議を通して、タブロイド紙に書きたてられるモリーとは、全く違うモリーが現れ始める──。


世界一魅惑的で破滅的なゲームに秘められた、幾度もの失敗から立ち上がった《勝つために生まれた女》の感動の逆転ドラマ。
(公式ホームページより)


あらすじ

運命に配られた敗北のカードを
自らの手で勝利に変えていった女性の
想像を超えた逆転劇が始まる――


2002年、冬季オリンピック予選の最終戦。女子モーグル北米3位のモリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は、五輪出場を目前にしていた。心理学教授の厳格な父親(ケヴィン・コスナー)の下、幼い頃からひたすら練習を重ね、12歳の時の背骨の大手術からも復活した。コロラド大学を首席で卒業したモリーは、ソルトレークで金メダルを獲得し、ロースクールを卒業して会社を設立するという人生設計を立てていた。ところが、1本の松の枝がモリーの運命を変える。枝にぶつかりスキー板が外れて転倒、モリーのアスリート人生は終わった。


その後、ケガから回復し、LAで1年間の休暇を取っていたが、バイト先のボスからポーカー・ゲームのアシスタントを頼まれ、ハリウッドスターのプレイヤーX(マイケル・セラ)、映画監督、ラッパー、ボクサー……大金持ちの有名人ばかりが集まる高額ポーカー・ゲームの世界に足を踏み入れる。ゲームの参加費は1万ドル(100万円相当)。一夜で100万ドル(1億円)のお金が動くスリリングな世界、最高レベルの人々との交流に生き甲斐を見つけるが、数年後、突然クビを言い渡されたモリーは、秘かに練っていた計画を実行し、“モリーズ・ルーム”をオープン。その後、NYに拠点を移し、並外れた才覚によって新たなる伝説を築く。だが、2012年、FBIに突然踏み込まれ、ゲームは閉鎖。モリーは全財産を没収される。


2014年、現在。回顧録「モリーズ・ゲーム」を出版後、モリーは違法賭博の運営の容疑で突然FBIに逮捕される。「誤解です。2年もやっていない」と答えるが、「合衆国対モリー・ブルーム」と書かれた令状を前に成す術もない。何人もの弁護士に断られたモリーは、チャーリー・ジャフィー(イドリス・エルバ)に弁護を頼む。ジャフィーは、タブロイド紙に載る“ポーカー・プリンセス”は自分向きの事件ではないと断るが、モリーについて知るうちに彼女の弁護を引き受ける決意をする。


なぜポーカーをやめて2年も経つモリーが逮捕されたのか? FBIの本当の目的は? 果たして無罪を勝ち取ることは出来るのか?
(公式ホームページより)




予告編


『モリーズ・ゲーム』日本版オリジナル予告 5.11


公式ホームページ



それでは感想です!!!





















<感想>アーロン・ソーキンの早口脚本がもたらす、3つの魅力!!!

展開展開また展開で、飽きさせない130分!

『ソーシャル・ネットワーク』の脚本で絶賛された脚本家・アーロン・ソーキンの初監督作品であるこの作品。そう聞けば映画好きには注目度の高い作品となっているのではないでしょうか。


『ソーシャル・ネットワーク』


『ソーシャル・ネットワーク』と聞いて思い出すのは、やはりあの超早口な会話劇でしょう。Facebookを世界的なSNSへと大成功させた若手社長:マーク・ザッカーバーグの成功と挫折、夢の実現と友の喪失を追った前作では、ハーバード大学生たちやIT社長らの超天才たちが繰り広げる難解な言葉と、天才ならではの超早口な会話が印象的でした。


今回初めて監督の経歴を見たんですが、『マネー・ボール』とか『スティーブ・ジョブズ』とか、超一流ビジネスマンの話をたくさん描いてらっしゃる脚本家さんなんですね、アーロン・ソーキンさん。

ソーシャル・ネットワーク (字幕版)
ソーシャル・ネットワーク (字幕版)
2013-11-26
Movie



というわけで、今回ももちろん、早口な超高速会話劇がこの映画を占めていましたよ!!!


何がすごいって、1秒たりとも「何も起きていない」シーンがないこと。「いや、そりゃあ当たり前でしょうに。映画なんだから。」と言わないでくださいな。もちろん映画なんだから常に何かが起きているのは当たり前なんですが、ここで言いたいのは、「常に何かが展開している」ということです。常に話が動いているんです。そう、この超早口会話劇の効果というのは、展開展開また展開という、怒涛のストーリー展開なんです。


展開って書きすぎた。。。頭が悪そうだ。。。


冒頭からもう止まんないです。スキーシーンから始まるんですが、それと並行してモリーのナレーション(このナレーションが怒涛の展開を生み出しているんです!)。モリー・ブルームという女性(=私)がどのような半生を送ってきたか、どのような女なのか、ということを、映像はスキーの試合の様子を丹念に描きながら、ナレーションで一気に説明してしまいます。そんでもってここもやはり早口。モリーの頭の中をそのまんま聞いているような感じになって、話している内容のみならず、話し方からもいかにこの女性が頭が良くて野心家で実力者なのか、ということが一気に伝わってきます。


(実際、コロラド大学を首席で卒業して、スキーでも五輪の代表目前、おまけに美人…という、アスリートとしてだけでなく、どこまでよくばりな女やねん!ってなりました笑)


そして訪れるアクシデント。一見関係なさそうなスキートリビアとか、アスリートに聞いた「最悪の瞬間とは?」のアンケート結果とかが、話された3分後には重要な意味を持つ伏線になってくるという、驚異の展開力をここでもう見せつけてくるアーロン脚本。


頭から地面に打ち付けられたモリー。顔面は血だらけ。ナレーションでは「最悪の瞬間がオリンピックで4位って人いたよね?」からの、


「really?  fuck you.」


からの、暗転。タイトルバック。


ってこの一連が最強!!!かっこよすぎ!!!


劇場で顔面覆っちゃいましたよ!痺れすぎて。僕本当にこういう「スマート!かっこいい!」な演出が好きすぎるもんでして。一言で上手にまとめたり、決め台詞的なの言われると体が反応してしまうんです笑。この冒頭で観客を、この映画のスピード感、スマートな雰囲気に飲み込んでしまうという見事なシーンでした。


そしてなんとこのシーンの一部がyoutubeに公開されておりましたのでぜひご覧くださいな!↓

『モリーズ・ゲーム』 オリンピック目前!超早口な冒頭スキー映像


さて、さっきも書きましたけど、この早口会話劇には、展開展開また展開で観客を飽きさせないという効果があるように思います。そしてその点がこの映画の魅力にちゃんとなっていて、結果的には大成功していたと思われます。


まあ逆にいうと超頭使うし疲れるんですけど。副作用みたいなもんでしょうか。


話される内容は『ソーシャル・ネットワーク』同様、経営の話とか法律の話とか、そこから急に詩とか小説の話に飛んだりとか、たまに内容難しかったりするので、完璧についていくのは至難の技でしょう。ぶっちゃけ途中は聞き流してたりしてました僕。


おまけに、この映画ではポーカーが重要な役割を持つのですが、僕はポーカーがわからないので、ポーカーのシーン、特に駆け引きが行われている場面なんかはもうお手上げです。「あ〜ね〜。」みたいな放心状態でただシーンを眺めていました。


早口な上にセリフとセリフの間にほとんど間隔を設けない演出なので、上映中はほとんど誰かが喋ってるみたいなことになっています。いや〜疲れる笑。


ていうとなんだかつまんない映画なのかと思われてしまいそうですが、そんなことは全くありません。監督がすごいのは、ストーリーの流れは映像を見ていればだいたいわかるというとこ。その点ご心配なく。詳細は分からずとも、「ああこいつが追い詰められているんだな」とか「こいつが裏切ったんだな」とかが映像で伝わってくるんです。だから話についていけなくなることはない、はず。もしイマイチ法律の話とかポーカーとかわかんねえなあって人は、おとなしく字幕ではなく映像をみてその雰囲気を察しましょう笑。



早口と情報過多がもたらす、圧倒的な没入感!

さて、早口展開について話しましたが、この演出手法がもたらすのはそれだけじゃないと思います。


『シン・ゴジラ』はみなさん見ましたでしょうか?ゴジラを現代に復活させ、その風刺的な内容に、特撮好きのみならず社会現象になりました(『君の名は。』がなければね…)。あの映画見た方はわかると思うのですが、あれも超早口展開映画でした。と記憶しています。

シン・ゴジラ
シン・ゴジラ
2017-03-22
Movie


『シン・ゴジラ』でもそうなのですが、早口で会話が行われるシーンて、実はその会話の内容てさほど重要じゃないというか。ていうと完全に語弊があるんですけど、あれ全部聞き取れなくても映画としては面白いですよね。この『モリーズ・ゲーム』もそうだと思うんです。


登場人物たちがめちゃ早口で会話をしている。天才と大富豪たちの独特の空気感がそこにはあります。早口で会話が行われている、という「映像」を見せているんですね。あくまで「映像」を。そしてその「映像」から異常さを感じるのは、普段僕たちがそんな早口で喋りまくる人達の中にいないからだと思うんです。それはなぜか。端的に言ってしまえば、僕たちが「天才」的な頭脳の持ち主ではないからです。「一般人」だからです。


つまり、こうした演出をすることによって、「一般人」である僕たち観客が「天才」の世界を体験することができるようになってるんです。


この映画確かに疲れるし頭使うんだけど、それと同時に130分があっという間に感じられました。それというのは「この映画あと何時間あんだろな〜」という感覚がなかったから。てのはなんでかっていうと、展開が早くて飽きないっていうのもあるけど、世界観に没入できたからだと思います。「天才だらけ!大富豪だらけ!めっちゃゴージャスでめっちゃセクシー!なんだかわからないけどこの世界楽しい!」ていう(こう書くとすげえバカっぽいけどwww)気分になれました。この「世界観への没入」というのもこの映画の魅力の一つでしょう。


↑ジェシカチャスティン演じるモリーのエロいドレスも見どころの一つですよ。。。笑



動があるから静が生きる。本当に描きたいのは人間ドラマなんだ!

「ずっと何かが起こっている」ってさっき書きましたけど、そんな中にも小休止的な場面は所々にあって。セリフが中断されたり、ゆったりしたテンポでの会話があったりもします。


そしてその場面こそが、この作品の最大の魅力だと思います。


そうした、途中で挟まれる小休止的な場面というのは何かというと、「人間ドラマ」を見せる場面だったと思います。つまり展開展開ときて、ここぞ!という場面で「人」を見せる、という演出です。これが粋なんだあ。


例えば、モリーの弁護士を務めることになったチャーリー。初めはモリーの横柄な人柄に手を焼いていましたが、次第に彼女の本質や本当の狙いが見えてきて、弁護にも熱が入ってくる。そして客観的に見ればモリーのしたことは決して世間で言われるような大罪ではないらしいということがわかってくる。けれど、検察の方は世間の評判を気にしてか真正面から”正しい”判断をしようとしない。そこに業を煮やしたチャーリーは、自身の主張をまくしたてます。頼むから彼女に対して正しい判断をしてくれと。色眼鏡で見ないでやってくれと。


このシーンも早口なシーンではあるのですが、重要なのはセリフそのもののみならず、チャーリーの話す様をただ聞いているモリーの姿です。いつもは自己主張を欠かさないモリーなのに、このシーンばかりはただ黙って聞いています。そして時折瞬きをし、何か感じ入ったようにチャーリーを見ている。そんな黙っている珍しいモリーの「静かな」姿に観客は考える時間を持ちます。モリーはこのシーン、何を思っているのだろう、と。そしてその「静かな」モリーの姿こそが、彼女の内面で変化をもたらしていくことになります。難解な長ゼリフという難しいシーンをイドリス・エリバが見事に演じています。


さすがアズガルドから「虹の橋」を渡ってきた男だけあります。彼の目に狂いはないようです。時にはダークタワーを守る伝説のガンマン、またある時にはイェーガーに乗り込んでkaijuと戦った指揮官でもある彼は、やはり弁護士をしても熱い漢なのであります!!!!



という冗談はさておき。


また、やはりいっておかないといけないのはラストあたりの、モリーと父との会話でしょう。このシーンに本作でのメッセージがふんだんに盛り込まれているような気がします。長年憎しみあいながらも厳しい生活を共にしてきた父とモリー。彼女たちの間にあった深い溝を埋めていくように、父が話しかけ、涙しながら抱擁する。このシーンもセリフは続いているのですが、とてもゆったりとしたテンポで、つまりはビジネスのやり取りや弁護士との打ち合わせのようなテンションとは全く違う、父と娘という深いところでつながりあっている人たちの会話なんだと思いました。


個人的に「ちはやふるメソッド」と呼んでいるのですが(笑)、普通の映画だったら激しい「動」の部分で観客の注意を惹きつけますよね。でも『ちはやふる』という映画では三部作共に、「静」の部分で持って、「何が起こるんだ…?」とか「じっと見守ろう」という雰囲気で持って行って、観客の注意を喚起します。だけどその「静」が生きるのはあくまで激しい「動」のシーンが散りばめられているからであって、そのギャップで持って観客を持って行っちゃうんですよね。

ちはやふる-上の句-
ちはやふる-上の句-
2016-08-21
Movie


この映画でもそのメソッドが生きていて、あんだけ激しいセリフと展開の応酬で観客が完全に「動」のテンションでいるところに「静」のシーンを挟むことで、帰ってスローテンポなシーンに注目が集まるようになっているな、と感じました。


本当に描きたいのは「人」なんだ、「人間ドラマ」なんだ!という監督の主張が伝わってくるようです。思えば『ソーシャル・ネットワーク』でも『マネー・ボール』でも『スティーブ・ジョブズ』でも、監督(当時は脚本家)は「ビジネスの世界にある人間の悲哀や愛らしさ」のようなものを描いていたように思います。そこまで極論して良いかわからないけど。とにかく、「130分間めちゃくちゃ頭使ってセリフまくし立てる映画」を作りたいわけじゃないんだと。ビジネスやギャンブルの世界を通して、人間の姿を描きたいんだと。


だから描くべきところは決して流さずに、しっかりと見せる。伝えたい姿は、きちんと見せる。そこが締まっていていいです。




最後に:

この映画、実話を基にしているということで、実名が出ている(?)富豪の方もいるみたいなんですが、伏せられている人物がほとんどです。その中の一人に「プレイヤーX」という形で名前が伏せられている「映画スター」がいるんですが、その姿がどっかで見たことあるな〜と思っていました。


が、見終わって気づきましたよ、ジェシー・アイゼンバーグです!


ジェシー・アイゼンバーグとは誰じゃいというところなんですが、それがくだんの『ソーシャル・ネットワーク』で主人公マーク・ザッカーバーグを演じた若手役者さんなんですよね。


なんかすげえ怪しいんだけど!!と一人興奮しています笑。


このマイケル・セラって役者さんの衣装とか佇まいが、マジでザッカーバーグ役のジェシーに似てます。よね?そう思いませんか!??


マイケル・セラ        

(左)劇中のマイケル・セラ、(右)『ソーシャル〜』のジェシー・アイゼンバーグ


ジェシー・アイゼンバーグはクレバーな変人の役が割と多いので(DCEUでもそんな感じの役、あとは『グランドイリュージョン』とかも)、ポーカーが強いって言われても納得いきます。てか『グランドイリュージョン』とかもろにトランプムッチャ使ってたやん!僕の中では「プレイヤーX」はジェシー・アイゼンバーグということになっています。違ってたら本当にごめんなさい。


ということで、この一週間くらいは頭をフル回転させてゴージャスな世界を楽しみたい!って人はこちら『モリーズ・ゲーム』へ、「頭なんか使いたくないんじゃ!」という人は『孤狼の血』へお急ぎください!!!!笑





最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!!!