ノリモト、映画レビューするってよ

おバカな映画レビューサイトです。そこまで詳しいというわけではないので、どうかお手柔らかにお願いしますm(_ _)m

『サニー/32』ネタバレあり感想! 人生初試写会だぜい!!!

人生初試写会に行ってまいりやした!!


かねてよりファンだった白石和彌監督最新作『サニー/32』の試写会に先日行ってまいりました。こんなところに試写室ってあるんだ!ていうか普通の映画館じゃなくて「試写室」ってところでやるんだ!こういう時にはペアで当選するんだ!ていうか試写室なのにめっちゃおしゃれじゃん!?と終始お屠蘇気分で、試写自体を楽しむことができました。


試写会の後は、特別に白石和彌監督(!!!)と、脚本の高橋泉さん、それからMCとして映画評論家の宇野維正さんが対談、鼎談という企画もあり、映画制作の裏側、今の映画界に思うことなんかをお話ししてくださり、面白かったです。それで終わりかと思ったらなんとなんと、出口には主演の北原里英さんが!!!!一言も喋りませんでしたけどw


その時のお写真。


最後まで特別サービスな企画でして、本当にミーハー心の騒ぐ一夜となりました。


当選させてくれた映画秘宝さん、ありがとうございました!(#^.^#)




ということなので、この作品に関して一足早く感想書いちゃおうかと思います!
ネタバレは、途中よりいたしますので、ご注意ください。ネタバレが含まれるところはそのように書いておきますね。





作品情報



あらすじ

冬の新潟の或る町。仕事も私生活も振るわない中学校教師・藤井赤理(北原里英)は24歳の誕生日を迎えたその日、何者かに拉致された。やったのは二人組で、柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)という男。雪深い山麓の廃屋へと連れ去り、彼女を監禁!小田は嬉々としてビデオカメラを回し、柏原は「ずっと会いたかったよ、サニー……」と、そう赤理のことを呼んだ。

“サニー”とは―世間を騒がせた「小学生による同級生殺害事件」の犯人の通称だった。事件のあらましは、当時11歳だった小学生女児が同級生を、殺害したというもの。突然、工作用のカッターナイフで首を切りつけたのだ。


事件発覚後、マスコミが使用した被害者のクラス写真から、加害者の女児の顔も割りだされ、いたいけで目を引くルックスゆえに「犯罪史上、最も可愛い殺人犯」とたちまちネットなどで神格化、狂信的な信者を生み出すことに。出回った写真では、独特の決めポーズ(右手が3本指、左手は2本指でピースサインをつくる)も話題を集め、それは信者たちの間で「32(サニー)ポーズ」と名付けられ、加害女児自体も“サニー”と呼ばれるようになった。奇しくも、この“サニー”の起こした事件から14年目の夜に二人の男によって拉致監禁された赤理。


柏原も小田もカルトな信者で、二人は好みのドレスに着替えさせ、赤理の写真や動画をネット上の「サニーたんを愛する専門板www」にアップ。赤理は正気を失っていきながらも、必死に陸の孤島と化した豪雪地帯の監禁部屋から脱出を試みる。が!それは驚愕の物語の始まりにすぎなかった―。              (公式ホームページより)


キャスト


藤井赤理 北原里英
柏原勲 ピエール瀧
小田武 リリー・フランキー
ネット上に現れた二人目のサニー 門脇 麦


スタッフ


スーパーバイザー 秋元康


脚本 高橋泉


監督 白石和彌


公式ホームページ




予告編


北原里英、初主演映画で殴られ!縛られ!舐められる!の体当たり演技/映画『サニー32』特報





















感想


『凶悪』コンビは相変わらず最強だった!!!
…なんだけど、企画から始まり設定展開ちょっと無理ありすぎないか???
秋元康スーパーバイザーと(なんだそれは笑)白石和彌監督のコンビネーションはいかに!?



 ええと、試写見たからって絶賛しないといけないんでしょうか、、、?そういうもんなんでしょうか、、、、?多分お金払って見てたらどうだろうな〜う〜ん。まあいっか笑


 でもいいところも、もちろんいっぱいありましたよ!


 さて、まずはストーリー説明から。
 新潟で中学教師をしている藤井赤理。二十四歳の誕生日に、二人のおっさんから突如拉致されます。彼らは藤井のことを「サニー」と呼んでいました。
 十四年前。小学生が同級生をカッターナイフで殺害するという事件が発生。その加害者として逮捕されたのが当時十歳だった少女、通称「サニー」。サニーは史上最も可愛い殺人鬼としてファンを拡大した…。
 藤井を拉致したのはサニーの狂信的なファンでした。この狂った環境から逃げるため、逃げ道を探る藤井。しかしそうはいかず、同じくサニーファンをネット上で募り、イベントを開くおじさん二人。しかし、とある事件をきっかけにファンのうちの一人が殺害されてしまいます。どうしようもなくなった藤井とおじさんとファン一行は、警察から逃げるために逃避行を繰り広げる…。と。



キタリエ✖️ピエール瀧✖️リリーフランキー!!!冒頭の20分、キャラがフルで主張する!!!



 とりあえずね、北原里英って正直演技で売っていくには厳しくないか?というのが前半での印象です。。


 まず初めに、最初に出てくるシーンだとキタリエ中学教師なんですけど、ちっとも頭良さそうに見えない…。教壇に立つ口調が特徴的で(見たら一発でわかる)、なんだろう、別に面白いシーンでもないのに笑いがうっすら怒っていたりとか。あとは生徒に親身になるいい先生の役なんですけど、それがもうわざとらしく見えてしまていて。御免なさい、あんまり上手じゃないかもな、と思ってしまいました。


 ただ、その教師だったところのシーンから15分くらいしたら状況がすごいことになっているのでびっくりです!本当にスピード感はすごい!笑


 あっという間に拉致されて監禁。そこから脱出しようとするんですね。その辺りはさすがアイドルというか、めちゃくちゃ体張ってるのがこちらまで伝わってきて驚きました。新潟の肩くらいまで雪が積もった極寒の冬の中、薄〜いドレス姿で、しかも裸足でこやから飛び降りる様なんかはもう本当に迫真!って感じだったし、おじさんたちに殴られてビビって泣いてるところとかすごかったですね。先ほどの演技をここで挽回した形になっていました。(ただ、うるさいことを言うと、大した演技力も必要じゃなくて基本的にビビってりゃあいいのがホラー映画でして。だからこそ海外なんかだとホラーには大した俳優を使わないわけでして。そう言うところも計算して秋元康はホラーウィガをよく作るのかな?と思いました。48グループ系のドラマって基本阿鼻叫喚する感じだし)



 一方、圧巻だったのがおじさん二人組、そう『凶悪』コンビですね。ご存知(?)ピエール瀧さんとリリーフランキーさん!!!この二人はもう最高でした!!!

 二人ともクレイジーでおかしなおっさんなんですけど、そのタイプがちょっと違くて。瀧さんは、どちらかというと落ち着いていて、それなのに暴力的。またこれから登場する「サニーの会」(とここでは呼んでおきます)のボス的な存在です。だから頭も使える。何かの教祖様みたいな存在感です。ゾンビ映画『アイアムアヒーロー』の吉沢悠がやった伊浦って役(下)があるんですけど、それの感じです。



 一方でリリーさんがやるのは、超絶ハイテンションで薬やってるの?って感じのぶっ飛んだやつです。こちらももちろんクレイジーです。わかりやすくクレイジーです。なんだけど、まあテンションがたかいだけで計算高く物事を進めたりはできないし、ないよりビビリという設定。で、本当にビビった時にはどういう反応になるのかっていうところがちょっと書くのが恥ずかしい感じのアレなんですけどw、このキャラクターをよく表しているし、その時のリリーさんの表情がマジで面白いです!これまでの役でいうと、『SCOOP!』の「チャラ源』ですね。ほとんどアレなんですよね〜。

すげえ表情ですね笑


 実は、この二人の登場するシーンがこの映画の中で一番笑ったところでした。笑ったというか、テンション上がったというか。「キタ〜〜〜!!!!」という感じの。待ってました!な感じのシーンで、そこがすごく良かったです。





ーーーー※こっからネタバレ含みます。ご注意ください。ーーーー







キタリエの覚醒!!!なんだけどちょっと厳しいか、、、?色々ごちゃごちゃなサニーファンの逃避行。



 さて、その脱出シーンの後なんですけど、そうもうまくいかなくて、結局連れ戻されてしまいます。と思ったら、おじさん二人組の運営するサイトで「サニーファン」を募って、ファンミーティングやろう、みたいな流れになってるんですね。で、早速そのファンが集まるという。まあ殺人鬼の少女のファンってなもんなので、やばい奴らがいっぱいくるわけです。キャラが濃い面々です。


 そのファンミーティングである事件が起こります。殺人事件が起こってしまうんですね。いきなり!!びっくりですよ。この時点で多分30分くらいの時間なんですけど、もうすでにフライヤーに書いてあったあらすじと大きく逸脱しているという笑。こっからもうどうなってくのか予想できません。


 個人的には、殺されちゃった人が最後らへんに言っていた言葉がすごく印象的でした。その人がなんでサニーに惹かれたのか、という点なんですけど、「それまではバッタの味がするから食べられなかったキュウリが、なぜかサニーの事件のあった時貪るように食べられた。」みたいなことを言うんです。なんだその表現は!?と言うね。キュウリバッタの味しないし、バッタの味するキュウリを貪るように食べると言う何かのタガが、(おそらくはよくない方に)外れた瞬間の体験を、こんな表現で表すってすごいです。これはきっと、高橋泉さんならではの表現だったのではないかと思います。


 さて、殺人時意見が起こり、それがなぜかユーチューバーにバレて(この辺りのくだりは正直よくわからない)、一行は海の家へ。そこで居合わせたカップル(子の登場シーンは爆笑しました笑)とともに、一行は世間から隠れて活動しようと言う流れになるんですけど、そこもまたなんでかユーチューバーにバレる。ぶっちゃけこのユーチューバーすごない?ってなってそこらへんはなんだかよくわかりませんでした。どうやらこいつはプログラミングもできるらしくて、ハッキングもできるらしくて、すげえ万能感。でも現代っ子=プログラミングもできるユーチューバーってすごくありきたりじゃない?


 彼の本当の目的はなんなのか?それは、十四年前に殺人事件を起こした少女の今の姿を世間に公開しちゃおう!と言うだけのものでした。ちなみにここ大事なんですけど、キタリエは本物のサニーではありません!ただ同姓同名なだけなのかな?よく説明なかったけど。


 で、いよいよユーチューバーがニコ生みたいな媒体からアジトを中継し、サニーの現在の姿を流そうと言うところになるんですが、ここでキタリエ覚醒します!!!


 てなるんですけど、このシーンは正直辛かった。だって本物のサニーじゃないんですよ?ってことは単に一般人が怒り狂ってるだけってことじゃないすか。それってなんかなぁ、説得力ないですよね。これが昔殺人犯だったから「うお!すげえええ!」ってなるわけであって。


 覚醒したキタリエは、ユーチューバーと「サニーファンの会」の皆さんを一人ずつこき下ろしていきます。彼らが持っている自身の弱さや脆さを吐き出させ、懺悔させ、改心させる。そして、キタリエがぎゅっとして粛清する。という流れを一人一人やっていくわけなんだけど長え!多分十分ぐらいおんなじようなシーンが続くわけなんですよ。しかもそれがほとんどキタリエの一人芝居。一人でずっと喋っていて、そのシーンまるごとキタリエの演技力にかかっているようなシーンなんですよね。なんだけど…ね?まあやっぱりさ、あれだからさ、ね?微妙なわけですよ。


 途中からだんだん飽きてきて、まだおわんないかな〜と思うようになり、あれ?でもこれみんなやるのか〜ってなって…。という感じのシーンになっていました。しかも!このシーンが大罪なのは、あの凶悪コンビまで改心させてしまうところなんですよ!これがいかん!!!


 だってこのキャラがあってこそのこの映画だったのではないですか?狂ったおじさん二人が強烈なインパクト!っていう風向きの映画だったのでは愛ですか?少なくとも僕はそう思っていたし、二人の登場シーンは最高に上がりましたよ!?それなのに、キタリエにぎゅっとされてからはもう普通のおじさんです。特に瀧さんは、ガタイが良くて面倒見が良いだけの人情味溢れる土建屋のおじさんみたいでしたよ?キャラが死んでいる!!と、僕は叫びました。




おっと、、、?結構無茶苦茶じゃないか、、、????


 はい。そのシーンからは正直ちょっと勢い下がり目です。ていうか、10分の名が長尺シーンを中盤に持ってきたりすると、そこがピークになりますよね。そこが映画の中で一番の盛り上がりになってしまう。だからちょっと残念でした。


 キタリエに粛清された一行は、後に白石監督のインタビューで言っていた言葉を借りれば「疑似家族」の様相を見せます。確かにここいらへんは疑似家族みたいに見えなくもないですね。それはそれで、ほっこりし多雰囲気を見ました。瀧さんがお父さんで、リリーさんは長男、みたいな?じゃあキタリエは何か、というと、教祖様、なんですね笑。覚醒したキタリエはついに宗教(?)を始め、それをニコ生で配信し、各地の悩める方々の人生相談をする、それからその人生相談された人からのお布施によって一行は生活する、というシステムを構築しました。


 ちょっとここで話と脱線するんですけど、この人生相談のところで、「パチンコ屋の収益は北の国に流れてミサイルの開発源になっているのよ!」みたいなことをバシッとキタリエが言うんですけど、これ大丈夫すか…???やべえ、って思いました。しかも事実とは違うだろうし。。


 まあいいや。なんですけど、まあそんな生活もうまくいくはずもなく、一行が起こしたいざこざから警察に目をつけられ、一行は追われてしまいます。しかもその最中に、発砲事件が多発、「サニーファンの会」の人はほとんど銃殺されます。それも警察に打たれたり、身内で打ち合ったりして…もう訳がわかりません。


 ここもちょっと作り雑じゃなかったか〜?と思ってしまうのは、警察がすげえ簡単に銃を撃つこと。それから一般人であるファンの人もばかすか撃つこと。銃ってそんな簡単なやつだっけ?みたいなところは気になりますよね。


 それから、あれ?ってなったのは、改心した瀧さんがキタリエについて「サニーが本物じゃなくてもいいだろう。サニーはサニーだ」みたいなわけのわからないことを言うんですけど、「サニー本物じゃなくてもいいの!?」てところですよね。本物だから説得力があって、その説得力に触発さえてサニーを信仰しているのではないの?と言う。本当にサニーファンだったら偽物だったってわかったらブチ切れそうなもんですけどね。キタリエに改心させられたからいいのかな?キタリエに改心させられたからサニーではなくキタリエを信仰しているということで良いのかな?ここら辺がちょっとおざなりというか、サニーが本物なのか違うのかというところ僕は重要なところだと思ったンですけどね、あんまり考えてないかな?と。


 なんでこんな話になるのかというと、ネット上に本物のサニーが出現するからなんですね。それを演じるのが、ついにでました!!門脇麦さん!!!この人本当になんでもやっちゃうのね!『トドメの接吻』ではキスする人殺しやってますよね。最近こういうオバケ的な役増えてませんか?



 てなもんで、今回もオバケみたいな役なんですよ。本物の殺人鬼なんでね、なんか監禁されてるんですが、それでもけろっとしている。怖い。その上、「え〜しょうがないな〜もう〜」みたいなテンションで自分の指を折だすんですよね。こえええ。僕こういうグロいの苦手なんで、ちょっと目をつぶってしまいました。怖い。あと表情がないのが怖い。


 ただ。ここにもちょっとハテナなところがありまして。この門脇さんは誰に監禁されているのか?そもそも監禁されているのか?なんか鎖に繋がれているんですけど、その経緯が詳しく明らかにされていないし、途中からは結構自由な生活になっていて、監禁されているのか?な感じになってしまいます。ほんで、この詳細も結局最後まで明らかにされず、なんかよくわからない感じで終わってしまってます。ちょっときになってしまいます。



 警察に追われるなか、キタリエの中にはもう一つの心配事項が。それは元いた中学校の生徒の一人。女子グループからハブられて心に傷を抱えていました。その女の子が、ニコ生もどきの中でサニーことキタリエに語りかけてきます。このくだりも変といえば変なんすけどそこは置いといて、女の子はかつてのサニーと同じように自分をはぶった同級生を殺そうとしているらしい。しかもサニーが事件を起こした2月28日に。サニーと同じようにカラオケで。


 サニーの犯行をなぞるような彼女の計画にキタリエ焦ります。止めないと!そこでキタリエは本物のサニーにコンタクトを取ります。どうやったら彼女を止められるのか?確かに、彼女の気持ちが一番わかるのは本物のサニーしかいないのかもしれない。そこから、本物のサニーの回顧が始まると。事の真相が明らかにるのですね。



サニー事件の真相は!?サニーの迫真の告白。



 事件当時、サニーは被害者女子と仲が良く、先生からいじわるされていた被害者女子と一緒にいる数少ない生徒でした。先生からのいじめに耐えかねた被害者女子を励ますために、ある日サニーは「どこか遠い街へ行こう」と彼女を誘います。これが事件の日だったんですね。彼女を誘ってサニー達は隣町のカラオケに行きます。


そこまでバスに乗ってくんですけど、これがいいシーンでしたね。バスの中で、教科書を破るサニー。破った教科書のページをまたビリビリにして、バスの窓から風に飛ばす。ひらひらと舞っていく教科書の破片をカメラが追うんですけど、それがなんだか自由を手に入れた彼女達の心の舞い上がりとリンクしていて。


 確かに、小学校の頃って世界が狭くて狭くて、悩み事も今思えば本当に小さいんですけど、それでも本人達にとっては重大事で。その重さは大人はわかってくれない。でも、教科書破ったって大した問題じゃないし、隣町へ行くくらい本当だったらちょっとした移動なんだけど、小学生だけでやればそれが小旅行になる。その頃のことを思い出して
じんわりしました。


 しかし、そのカラオケでサニーは同級生を殺してしまう。それがめっちゃ急なんです。さっきまで楽しくしてたのに、もうカラオケボックスが血だらけになってしまっている。やはりこのあたりは白石和彌だな〜と思いましたね。しかも血みどろになった格好のまま、オレンジジュースかなんかをごくごく飲んでいるサニー。何があったんだ、、、?


 その時何があったか、というのは現代パートで門脇さんが話しています。せっかく楽しかったのに、相手の子が帰ろうっていうから、それで寂しくなって殺してしまったと。そのことを、門脇さんが決してサイコな表情で語っているのではなく、「もうどうしようもなかったんだ」、「自分でもどうにかしたいけどどうにもならなかったんだ」、ということを咽びながら語っている。


 そして、「何をしても許されることはない『殺人』という行為をどうかさせないで」、と涙ながらにキタリエに叫びかけ、自分の指を何本も折まくる。つまり、指なら何本でもおるからそれでいいなら許してください、でもそれでも許されることなんてない…そういう叫びですよね。それがすごい迫力だし、どう考えても主役こっちですよね〜と思ってしまうあたりでした…笑


 このシーンがもう一度(キタリエ覚醒シーンでも触れられていますが)、この作品のテーマをクローズアップしています。サニーの正体は、決して猟奇的な殺人鬼ではなかったのだと思います。ただ愛が欲しかった。ただ友達とずっと一緒にいたかった。それだけなのに、それをちゃんと表現できなくて何が何だかわからなくて殺してしまう。もっと愛情が、温もりが欲しくて誰かを破壊してしまう。そんな事件だったのではないか。サニーが同級生を殺したのは、彼女が嫌いだったからではなく、寂しかったから。僕はそう思いました。


 そして、こうしたことはサニーを偏愛するファン達にも言えることでした。ずっといじめられて誰にも愛されなかった自分の理解者としてサニーを愛していた女とか。愛情を知らなくて他人に暴力を振るうことでしか満足できない男とか。愛が欲しくて、温もりが欲しくて、その結果として他人を破壊することで自分を満たす、そんな人々が自分の理解者としてサニーに心を奪われていたのだと思います。



ズッコケのラスト。ドローンは北原を支えられるのか!?


 さて、そんな叫びを受けたキタリエ。しかし屋敷内には警察が入ってきます。ここで捕まったら女の子を助けに行けない。逃げなきゃ!


 てなるんですけど、屋上まで逃げたのはいい。しょうがない。屋上まで逃げましょう。でもね?ユーチューバーくんが相方のドローンを屋上まで飛ばすんですね。で、そっから逃げろ、と。


 ………いやドローンじゃ人は飛べないでしょ。冷静に。


 しかし!キタリエはそんなこと気にしません。アイドルだし!体重なんてないもん!ドローンに屋上から飛びかかります。それに捕まって彼女のいるカラオケまで飛んでこう〜!!って!バカかい!


 はい。これでさっきまでの門脇麦ちゃんの迫真の演技が見事水に流されてしまいました。全部こっちに持ってかれました。ドローンの下のところに捕まってぶら下がってちょっとだけ浮遊するキタリエ。なんて間抜けなんでしょう。めっちゃ真顔なのにギャグシーンにすら見えるという。


 で、実際にドローンはキタリエの体重を支えられず墜落、と思ったらそこにはリリーさんの運転する車が停めてあって、その車にキタリエ万事休す。てところでエンディングです。めでたしめでたし。やったあよかった〜〜。




………て、いや!誰も救われてねえよ!!!




 はい、そうなんです。この映画では、キタリエの力で本当に救われた人ってほとんどいません。ていうか救われたのは「パチンコ屋は北のお財布」ネタを話した主婦とかそんくらいでしょうか。


 まずキタリエがドローンに乗って助けようと思った女の子。犯行を実行しようとしましたがおそらく最後までやりきれず、カッターを振り上げたところで終わっちゃいました。誰も死ななかったというのはまあそれはそれで良いのですが、普通に殺人未遂だし、そんな目にあった女の子はこれから学校でどのようにして生きて行けば良いのでしょう?地獄です。おかしいやつだと思われていじめられてしまいます。


 申し訳程度に、後からキタリエがカラオケボックスにやってきて、うなだれている女の子を抱きしめているのですけど、そんなことをしたって今更…という感じです。キタリエは女の子を救うのに間に合わなかったわけだし、なんなら女の子に対しては何もしていません。


 次。サニーファンだった一行ですけど。ほとんどが射殺されてしまい、その様が痛快でやはり白石和彌節だな、というところなんですけど、まあそうは言ってもキタリエと一緒にいたせいで死んじゃった、キタリエを守るために死んじゃった、というところは否めなくて。かわいそう。普通に自首すりゃよかったんに。


 そして!何と言っても!門脇麦ちゃん!!!!結局黒幕が誰なのかわからなかったし、最後まで門脇さんは自分の指を折続けるという最悪のエンディングだし。殺人という行為に許しが通用しないという主張はめっちゃわかるし、確かに綺麗事言ったってそうだよなとは思わされました。でも最後なんらかの形で希望とか救いとかを見せないとしんどい。しんどいし、その本物のサニーに見せる希望というのが、サニーを信仰していたファンにとっても、殺人未遂を犯してしまった中学生の女の子にとっても救いになるはずなんですけど…特になし。勿体無い。



 ということなんで、最後の詰めがもうちょっとなんかあったら、と思うところではありました。誰も救えてないじゃん!という感想になってしまったのはこの話の展開だけにすごく惜しい!


 最後のトークセッションで白石監督が言ってたことには、「これまで道に外れた大人を面白おかしく描いてきた(『凶悪』、『日本で一番悪い奴ら』、『かの鳥』、、、)。でも今回は道に外れた子供の話。子供の話をギャグにして面白おかしく語ったらダメだと思った。救いを見せないと行けないと思った。」てことらしいのです。確かにそう言われるとそうだよな〜。アウトローでもその様が面白そうだったりがギャグになっていたりして、楽しんで観れた。今回はもうちょっときつい感覚になったのは、子供が道を外していたからか。でもだったらもうちょっと明確な救いを見せてくれないとモヤモヤしちゃうよ〜〜〜!!


 


最後に


 テーマとしてはすごく現代に必要なことだったと思うんですよね。愛のたりない人たちがその欠陥を求めてサニーを信仰し、あるいは友達を頼る。そしてサニーは愛情の欠陥を抱えた状況で人を殺してしまったから、そうしたお案じ境遇の人を救えたのだと。サニーファンの人たちが疑似家族として愛情の欠陥を補っている様は、まあキャラは消えちゃったけど観ていてほっこりしましたよ。愛情や温もりの欠如と、そうした境遇の人たちが寄り集まって欠如を埋めていく。こういうことって今必要とされていることなのかもしれません。


 ただやはり最後に見える救いがちょっと弱かったのが残念です、、、テーマを完成させるにはあとちょっとだったかな?というのが正直なところです。


 まああとぶっちゃけ、演技についてだったり、伏線の回収だったりが中途半端になっているような気がしました。ツッコミどころはまあ多い方でしょうか。


 細かいところは気にしないで画面の迫力に身を委ねるのはいいのかな〜?まあどうしても試写会ってなると期待値上がっちゃうってのはありましたね笑。今回は、見る前に前評判を気にしたりすることがない稀有な体験だったこともあって、他の人に影響されていない感想になりました。本公開は2月17日。あともうちょっとです!劇場でご覧になった人がどんな反応になるのか、すげえ楽しみなところでもあります(^^)


 あと個人的には、秋元康さんはもう二度と映画に関わらないでほしいな(^^)


最後まで読んで頂きありがとうございました!!!




2月22日