モリモト的、『鋼の錬金術師』実写映画化について思うこと。

このほど映画『鋼の錬金術師』が公開されました。


というのも野暮なほど、この映画あちこちで賛否両論が巻き起こっています。というよりはむしろ甘く見ても、賛が2、否が8くらいの割合でしょうか。。。とにかく大荒れに荒れています。


それでも初登場1位!これはこれですごい!うん!


ランニングの1位と2位のどちらにも出演している俳優、大泉洋って冷静にすごいっすよね笑しゃべくりとか出て怒らせられてる俳優とは思えないです。



で、私もこの映画見てきましたけど、まあ確かにこれだけ荒れるのも無理はないだろう、と。原作もちょっとだけよ見ましたけど、原作のいいところ無理やりブッこんだ感じは正直否めなかったし、役者陣も一部を除いてなかなかな演技してました、、、、レビューサイトをいくつか見たんですが、良く言ってるところはちょっと見当たらなかった、、、


詳しくはこちらをどうぞ!


いいところを探してみようっつって最後には愚痴みたいになってしまいました。。。



この映画見たときにちょっと考えたことなんですが、この映画がここまで中途半端でどっちつかずなものになってしまったのは、「原作ファンのことを全く考えていないから」ではなく、むしろ「原作ファンに気を使いすぎてしまったから」ではないか、と。


今回はそのところを考えてみようかな、と思います。


それから、僕自身、漫画原作の実写がそこまで悪いと思っていなくて、むしろ漫画実写ですげえ面白いし自分の中でハマったものもいくつもあるんですね。だからその差はなんだろうと。


最後までお付き合いください。



モリモト的、漫画実写化映画の成功作


個人的に漫画原作で映画に成功したと思うもの、いくつか挙げて見ます!


①『るろうに剣心』


<良かったポイント>
・圧倒的アクションシーン!!!!
・佐藤健の剣心
・青木崇高の左之助
・その他登場人物の、特に敵キャラの演技力(第1作では香川照之、第2〜3作では藤原竜也と神木隆之介)
・明治初期の世界観が(漫画に則った形で)ちゃんと再現されている



②『バクマン。』


<良かったポイント>
・原作のいいところを抽出してストーリーとしてうまくまとまっている。
・漫画を描くシーンの躍動感(プロジェクションマッピングの使用で、るろ剣コンビのアクションがちゃんと見られる)
・音楽がサカナクション
・エンドロール!(要チェック!)
・俳優陣(主演の佐藤健と神木隆之介くん他、小松菜奈、リリーフランキー、山田孝之、そして染谷将太)、とにかく演技がすごい!!!
・原作にも関わるところだけど、『友情・努力・勝利』のストーリー。



③『銀魂』


<良かったポイント>
・とりあえずギャグがキレキレ。
・銀さんが思ったよりも銀さん。
・福田組が絶好調。(佐藤次郎とムロツヨシ)
・小栗旬、菅田将暉の飛び抜け感。
・中途半端に再現した世界観。(褒めてる)
・+α:原作者の泥舟コメントによって、不安だろう原作ファンが期待を持ってついてきてくれた



つまり何が良かったのか。


とまあここまで見てきたわけですが、いうたらまあ僕の個人的な好みです。笑


でもなあ。これまじで普通に映画として僕好きなんすよね〜〜。


語るとですね、、、




まずは『るろ剣』。


最初に見た第1作は、金曜ロードショーでした。確か高校一年生くらいだったかな?公開してる時から見たくて、友達もいいって言ってたから、「これは!」と思って録画して見ました。録画して。これが良くなかった。いや良かった。これを見た僕は、その年で一番か二番くらいに映画で熱狂した。何度もなんども頭んなかで剣心が暴れており、もはや収集がつかなくなってしまった。そして何度もなんどもその録画を見た。おそらく5回ほど。これは僕の中で、その当時第一位の再生回数だったのだ(こういうのか知らんけど)。それほどまでに僕は熱狂していた。
第二作からが高価されたのは、その次の年。ちょうど文化祭の準備に追われていた時だった。夏休み、文化祭の下準備を学校で終えて午後からフリーになった僕と友達数人は、地元の静岡にあった一番大きな映画館に行って、『京都大火編』を見た。まじでやばかった。まじで。てか志々雄真実全然出てこないじゃん!ていうか宗次郎に刀切られてるやん!そしてやはり斎藤一こと江口洋介まじでかっこいいな!!このころの一押しは斎藤一を演じる江口洋介だった。


時は少しだけ流れ、文化祭が終わった頃に後編、『伝説の最期編』が公開された。「最期」という文字の使い方が、その人間の死ぬ時を意味していることを国語の授業で知ったばかりだった僕は、「え?剣心死ぬん!?」と本気でそわそわしていた。そしてやはりまじでまじでまじでやばかった。バトルシーン他、「全部パワーアップしてます」「全シーン見所です」という佐藤健のプロモーションでの言葉通り、全て見せ場、ぜんバトルシーンがそれまでの邦画アクションを超越したものだった。特に剣心vs四乃森蒼紫、そして何と言っても最後の1対4での志々雄真実戦は壮絶だった。この後、僕はバトルシーンだけまとめたyoutubeの動画を何回も見ることになった。


とちょっと青春小説っぽく書いてしまうほどには僕の中でるろ剣はおっきなものだった。本当に青春小説だったら、この後僕は映画を撮りに河川敷に走っているところだろう。



次。『バクマン。』。


こいつもまた。。。。。思い出深いのうぅ。とうなってしまうほどに思い出深い。時は「るろ剣」から一年たち、僕は受験生になっていた。受験生というものは恐ろしいもので、寝ることはおろか、好きな小説や映画の話をするだけで、「うわ、こいつ遊んでるんだけど、、、引くわ〜〜〜。」な雰囲気を出す人間まで作ってしまうものだった。本当に恐ろしかった。こうやって人は人を殺すのだろうと思った。
嘘だ。
例によって文化祭のシーズンになった。僕のいた学校は高三は文化祭に出なくて良かったので、準備期間から撤収期間まで、約一週間、高三生に暇が出された。つまり、うちにこもって勉強しなさい、と。当時僕は4月から映画を見ていなかった。それまでは月一くらいでは最低でも映画館に行っていた僕は、そろそろ限界だった。時を同じくして、あの映画がやってきた。
そう、それが『バクマン。』だ。
と、こんなSF小説みたいな文章を書いてしまうくらいにはこの映画は僕にとって強烈だった。まず、NHKアニメを3シーズン全て見ていた僕は、単純にこの漫画、ストーリーが好きだった。いやだって漫画家コンビがライバルを倒すために心血を注ぐ、しかもそこに善悪はなく、ただただ面白い漫画が描きたいっていう少年たちの話、ってかっこよすぎません!?さらに役者陣が完璧だった。るろ剣にハマった僕はすっかり佐藤健と神木隆之介のファンになっていたし、それはもうコンビでファンになっていたし、山田孝之も大好きだった。あのどっしりとした空気感、得体の知れなさ、役によって表情が全く変わる演技力。福田さんも平丸さんも中井さんも川口たろうもそのまんまやん!な配役。完璧。それから主題歌。「新宝島」。これ今でもカラオケで歌うしな。かっけ〜。

サカナクション / 新宝島
これっすね。



んでもって僕はその一週間のノルマを全部こなしたら晴れて『バクマン。』を見ようという計画を立てた。誰になんと言われようと構わない。僕はノルマを終わらせて『バクマン。』を見に行くのだ。果たして僕は『バクマン。』を見ることができた。よくやった自分。


作品を見た僕は興奮のあまり歩いて家まで40分歩いた。すげえ!!!!佐藤健(かっこいい!)も、神木隆之介(イケメン!)も、小松菜奈(可愛い)も、山田孝之(なんだこのキャラ!なんだこの熱い男!)も、染谷将太(なんだこのキャラは!なんだこの不気味さは!)も、リリーフランキー(不気味さ読めなさがすごい!)も、そのほか役者陣(語りきれない!)も、サカナクションも、そしてなにより大根仁監督がすごい!!!小松菜奈がすごい可愛いし、なによりストーリーとその画の質感がしっとりと入ってきた。感激した。鼻息が荒かった。



最後、『銀魂』。


これは完全に原作をノータッチでした。だから、「まあ話題作だし?ちょっと見て見ようか?」みたいな感じだったのです最初は。
しかし。公開されるとともに僕はいてもたってもいられなくなってしまったのです。なんかすげえ面白そうだし、すげえ役者さんおもろいし。なにより福田雄一監督が僕は好きだった。『ヨシヒコ』とかすげえ面白かった。ずっとyoutubeで見てたし。


あの抜けた感じ。脱力して、クオリティという意味を果たしてちゃんと意識しているのか、というあの作風。綺麗な映像を作ろうというクオリティではなく、いかに面白くしようか、というクオリティ。それを話に聞く銀魂でやるというんだからこれは面白いだろう、と。原作を全部読んでる友達が、これは絶対見に行く、と言っていたのもあとを押した。
結果、二回見た。1回目の方が面白かったけど。
でもギャグ映画の中では一番二番くらいで面白かった。まじで。これマジで。福田雄一監督にしかできないようなジャンプいじりとか、最初の「カウントダウン◯V」ネタとか、「まー◯の」いじりとか、映画の世界だけをいじるのではなく、その外、俳優さんすらもいじるという突飛さ。こんな映画はこれまで見たことないっすね。そこまでエピソードはないけど、こういう面白さが新鮮だった。そして観客がこれまで笑っている劇場もなかなかないと思った。



つまり。


ここまで見てきて全てに通じているのは、
まず
演技が素晴らしいこと
次に、原作のストーリーをうまい具合に変えて
筋を通らしていること
それから監督とか、
映画の作り手としての色があること、とかかな?と思います。(なんか結論めいたことを出すのが評論家っぽくて恥ずかしい)



るろ剣では、まず演技は主演だけでなく適役が色の濃い強烈なキャラを演じきっていることで成立している。それから、ここはちょっとレビューによってはボロクソ言われてるところもあったけど(十本刀とか)、まあ概ねよし。見せ場がちゃんとできている。それから監督の大友啓史はもともとスモークを多用することで有名でしたが、今作も健在。『龍馬伝』でもそうだけど、キャラクターをカッコよく見せるのに長けた監督だと思います。


バクマンでは、もう演技は申し分ない。120点。それから、原作の『友情、努力、勝利』という、主人公二人とライバルとの戦いで描かれる根幹をブラッシュアップして描いていることで、最低限の道のりでラストまでたどり着いていると思います。最後に大根仁監督。女優さんを綺麗に撮ることで有名ですけど、今作も健在。決めるところはバッチリ決めるカット、それから本人のサブカル(?)好きが溢れているような映画だと思います。


銀魂では、小栗旬と菅田将暉他役者陣も豪華で、演技できになるようなところもない。それどころか、各役者さんの面白いところを抽出して見せてるような。それから原作でも人気の高いストーリーを無理なく、というかギャグをぶち込むために、映画にしていると思います。それから監督の要素はこれが一番きいてるだろうと。とにかく面白く。とにかく適当に。wwww




というわけでそんな風に考えました。で、さらに突き詰めると、つまり、ちゃんと映画として成立していないとダメだろうと。当たり前だけど。映画としての面白さを持っていないとダメだろうと。原作の人気とかストーリーを頼りにするのではなく、それを映画を作る側が再構成して自分のものにしないと、原作ファンも原作知らない人も面白いと思えない。ということなのではないでしょうか。


これあれだな、書いてて思ったけどすっげえ普通のことだな。





じゃあ、これをハガレンの実写について考えてみようと。



まず俳優。
これが一番問題だったと思います、、、どこを取っても棒だったり、変なテンションだったり、違和感しかなかったり、と思えば大泉洋とか松雪泰子とかいい演技してるから帰って主演陣とかの下手な演技が目立っちゃって、、、見ていてなんだこれはかんがすごいんだよな〜正直。ワザとかってくらい演技変でしたもん。


それからストーリー。
るろ剣のようなアクションメインになるわけでもなく、バクマンみたいに人間ドラマで描くのも微妙だし、銀魂みたいなギャグでもない。で、宣伝時にすごい言ってたCGだってそこまで出てくるわけでもないし、なんたって主人公が全然活躍しない。しかも敵があっち行ったりこっち行ったり、僕が読んだ原作の序盤のところをかいつまんであっちこっち言ってるとしか、、、、もうちょっとまとまった流れが欲しかったな〜。。。敵はラストだけでもいいと思うんだけどな〜。。。


最後に監督。作風。
ごめんなさい、ちょっとこれは前作まで見ていなかったのでなんとも言えないんですけど、、、でも『ピンポン』とか『あしたのジョー』とかで、アクションとかVFXの「監督ってイメージではありました。それで言ったらエドの見せ場少なすぎだろうと。もっとばちばち戦わせて欲しかった〜!!


という感じでして。


あと全体通して言えるのは、原作に変に寄せすぎだということ。


そう、これが一番でかいと思うんです。最初にも言ったけど、「原作ファンに気を使いすぎてしまったのではないか」ということです。


台詞のテンポ、キャラのビジュアル、それから抜粋するストーリー。これ全部原作からそのまま取ってきたようなものなんです。多分。14巻まで読んだけど。


てか台詞のやり取りが本当にそれで。普通、漫画に出てくるギャグとかを一般人が一般的に使ったらちょっと痛いやつみたいになりますやん。あとはめっちゃ漫画とかアニメとか見まくった後に現実的に会話するとちょっと様子がおかしくなったりしますやん。その感じ。その違和感。そういうのが充満しているようなきがするんですよね。


だから逆に原作ファンの人はそういうところはしっくりきたのではないかと。


でも、実写化するってなった時、現代劇っぽくというか、現実味ある台詞のやりとりしないと見てる人がつっかかっちゃうと思うんです。それは映画だから。映画として完成してないといけないから。


それを、原作知ってる人が楽しめるように、原作知ってる人がエピソードとして納得いくように、って考えすぎた結果なんじゃないかと思うんです。


確かに。原作がこれだけ有名で人気もあってしかも世界観もこんだけちゃんとして西洋風だと、期待はどうしたって高まって、それを外したくないという気持ちも出てくるもんでしょう。だけど、今回はそれをちょっと気にしすぎてしまったのかもしれないな、と思うんです。そんなに気にせんと、映画ならでばの展開を持ってきて、映画ならでばのバトルしてCG入れて、映画『鋼の錬金術師』にしたらええと思うんです


結果としては、原作ファンも、そうでない人も、うまく受け入れられたとは言えないものになってしまったようです。


映画の銀魂で銀さんも「原作ファンは厳しいからね〜」みたいなこといってますしね。









まあ、そんなわけで。僕の意見でしたけど、どうか全く気にすることなく、読み飛ばしてください。ちょっと映画知った気になってる一市民の高飛車な批評になってしまいました。お恥ずかしい。まあ考え方の一つとして。


最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。